第2次募集の15頭を、過去のデータで見比べる
第2次募集が始まった。1次、1.5次と進んで、今から出資できる馬は15頭まで減った。1次で満口にならなかった馬が過去にどうなったかは、1.5次募集に回った馬の記事で追いかけている。
私は1.5次募集で1頭に申し込んで、出資が決まった。そのとき困ったのは、残っている馬がどれも同じくらいに見えてしまうことだった。1次で人気が集まらなかった馬どうしを比べるのだから、無理もない。だから、過去の募集馬のデータで確かめられる物差しを1本だけ探して、それで並べ直した。この記事は、その物差しを残りの15頭に当てたものだ。
結論から書く。牝馬は、募集時の馬体重と胸囲がどちらも過去の牝の真ん中より上かどうかで、その後の稼ぎがはっきり分かれてきた。15頭の中でそれに当てはまるのはNo.12とNo.61の2頭。牡馬のほうは、この物差しでは差が出ない。そこも正直に書いておく。
15頭
第2次募集の対象
牝11頭・牡4頭
438kg / 174.5cm
牝の物差し(過去データ)
2017〜2023年度募集・牝の体重・胸囲の中央値
35%
両方中央値超の回収率100%超
それ以外は18%(p=0.0016)
No.12・61
条件に当てはまる牝
体重・胸囲とも中央値超
「順位相関」「p値」「偏相関」といった用語は分析記事の読み方で図つきで説明しています
条件に当てはまる牝
募集時の馬体重が438kgを超え、胸囲も174.5cmを超えている牝は、今回の15頭では次の2頭だけだ。
- No.12 プレシャライジングの25(父キズナ・体重452kg・胸囲178cm・一口12.5万円・残口65口)
- No.61 エクシードリミッツの25(父ロードカナロア・体重446kg・胸囲179cm・一口11.5万円・残口40口)
2頭のどちらが上かを決める材料は、このデータには無い。ここから先は血統や厩舎、ツアーで見た印象で選んでほしい。
物差しの根拠
2017〜2023年度に募集された牝馬のうち、一口価格が分かる285頭を2つに分けた。募集時の馬体重と胸囲がどちらも中央値(438kg・174.5cm)を超えている113頭と、それ以外の172頭だ。
回収率=獲得賞金 ÷ 募集総額(一口価格×口数)。「中央値超」は境界値ちょうどを含まない。割合の差の検定はp=0.0016。
募集価格以上に稼いだ馬の割合は、ほぼ2倍の開きになる。回収率の真ん中の値で比べると、差はもっと大きい。偶然でこれだけ開くことは、まず無い。
ひとつ断っておくと、体重と胸囲はどちらも「体の大きさ」を測っている。根拠が2つ重なっているわけではなく、「大きい牝」という1本の物差しだと思って読んでほしい。体重だけ、胸囲だけで見た結果は馬体重の記事と胸囲の記事に書いた。
牝11頭を群で見る
残りの牝も同じ物差しで並べた。体重と胸囲の片方だけが真ん中を超えている馬、どちらも届かない馬、そして体重が過去の牝の下位1/4(417kg未満)に入る馬に分けている。下の群ほど、この物差しの上では分が悪い。ただ、分が悪いというだけで、走らないと決まったわけではない。牝の体重と成績の関係は、馬体重の記事の「牝では『体高』ではなく『体重』で見る」の節にもう少し詳しく書いた。
体重・胸囲とも中央値超(2頭)
体重438kg・胸囲174.5cmの中央値を両方とも上回る馬(過去データで回収率100%超が35%)
| No. | 馬名 | 父 | 体重 | 胸囲 | 一口価格 | 残口 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 12 | プレシャライジングの25 | キズナ | 452kg | 178cm | 12.5万円 | 65口 |
| 61 | エクシードリミッツの25 | ロードカナロア | 446kg | 179cm | 11.5万円 | 40口 |
体重・胸囲のどちらか一方だけ中央値超(2頭)
体重・胸囲のどちらか一方だけが中央値を上回る馬
| No. | 馬名 | 父 | 体重 | 胸囲 | 一口価格 | 残口 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 26 | ショウナンパンドラの25 | モーリス | 426kg | 175cm | 12.5万円 | 83口 |
| 82 | チカレンヌの25 | ルヴァンスレーヴ | 435kg | 176.5cm | 4万円 | 100口以上 |
どちらも中央値以下(4頭)
体重・胸囲とも中央値以下の馬(下位1/4には入らない)
| No. | 馬名 | 父 | 体重 | 胸囲 | 一口価格 | 残口 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 20 | マハーバーラタの25 | ロードカナロア | 423kg | 174.5cm | 10万円 | 100口以上 |
| 30 | ゴールデンプルーフの25 | リアルスティール | 429kg | 172.5cm | 9万円 | 100口以上 |
| 34 | メルヴィルの25 | クリソベリル | 420kg | 172.5cm | 6万円 | 100口以上 |
| 92 | ペルレンケッテの25地方所属予定 | ホットロッドチャーリー | 417kg | 174cm | 18万円 | 25口以上 |
体重が過去の下位1/4(3頭)
体重が過去の下位1/4(417kg未満)の馬
| No. | 馬名 | 父 | 体重 | 胸囲 | 一口価格 | 残口 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 37 | バイラオーラの25 | ホットロッドチャーリー | 400kg | 170cm | 5万円 | 100口以上 |
| 38 | シャトンアンジュの25 | ルーラーシップ | 414kg | 170cm | 5万円 | 79口 |
| 93 | グラッブユアコートの25地方所属予定 | マインドユアビスケッツ | 412kg | 170cm | 18万円 | 25口以上 |
牡4頭
牡も同じように調べた。募集時に分かる4つの項目(体高・馬体重・誕生日・一口価格)について、2017〜2023年度に募集された牡297頭をそれぞれ真ん中の値で2つに分け、勝ち上がり率・重賞を勝った馬の数・回収率を比べている。
| 項目(真ん中の値) | 比べた2つ | 勝ち上がり率 | 重賞馬 | 回収率の中央値 |
|---|---|---|---|---|
| 体高(154.5cm) | 高い側 / 低い側 | 79% / 83% | 20頭(14%) / 8頭(5%) | 58% / 36% |
| 馬体重(449kg) | 重い側 / 軽い側 | 80% / 82% | 17頭(12%) / 11頭(7%) | 49% / 45% |
| 誕生日(3月10日) | 早生まれ側 / 遅生まれ側 | 76% / 85% | 16頭(11%) / 12頭(8%) | 42% / 53% |
| 一口価格(10万円) | 高い側 / 安い側 | 80% / 79% | 11頭(11%) / 17頭(12%) | 46% / 50% |
項目名のリンク先は、その項目を牡牝あわせて調べた記事。一口価格と賞金の関係は体高の記事の「参考: 一口価格との比較」で扱っている。勝ち上がり率は出走した馬のうち1勝以上した割合。回収率の定義は牝と同じ。「真ん中の値」ちょうどの馬は、体高・体重・価格では低い側、誕生日では遅生まれ側に入れている。
牝の体の大きさのような、はっきりした差はどこにも出なかった。勝ち上がり率はどの項目で分けてもほぼ同じだ。回収率の中央値は開いて見える項目もあるが、1頭ごとのばらつきが大きく、偶然でも出る程度の差に収まっている。
唯一、差らしく見えるのが体高と重賞馬の関係だ。背の高い側から重賞馬が20頭、低い側からは8頭。割合にすると14%と5%になる。ただ、4項目×3つの見方で12回比べた中の1つだけなので、偶然の可能性を消しきれない。勝ち上がり率ではむしろ低い側がわずかに上だ。「背の高い牡からは大物が出やすいかもしれない」くらいに受け取っておくのがいいと思う。
今回の牡4頭を、この4項目で見るとこうなる。印(▲)が付いているのは、背が高い・重い・早生まれ・価格が高い側に入っている項目だ。
| No. | 馬名 | 体高 | 体重 | 誕生日 | 一口価格 | 残口 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 31 | サンクテュエールの25 | 152cm | 422kg | 1月25日▲ | 15万円▲ | 100口 |
| 79 | ベデザンジュの25 | 153cm | 432kg | 1月25日▲ | 10万円 | 100口以上 |
| 91 | ジュールヒートの25地方所属予定 | 151cm | 437kg | 2月12日▲ | 25万円▲ | 25口以上 |
| 94 | エレガントマナーの25地方所属予定 | 158.5cm▲ | 476kg▲ | 3月3日▲ | 20万円▲ | 13口 |
体高が真ん中を超えているのはNo.94だけで、地方所属の予定だ。中央に入る予定のNo.31とNo.79は、どちらも早生まれの側に入っている。早生まれ側からは重賞馬が16頭、遅生まれ側からは12頭出ているが、これも偶然で片づけられる程度の差だ。誕生日と体格・成績の関係は誕生月の記事でまとめて見ている。
結局、牡の4頭をデータで順位付けする根拠は無い。選ぶ材料は、血統や厩舎、ツアーで見た印象のほうにある。
地方所属予定の馬について
次の4頭は地方所属の予定だ。ここまでの物差しは、中央に入った馬がほとんどを占めるデータで作っている。走る舞台も賞金の水準も違うので、上の群分けはそのまま当てはめないほうがいい。
- No.91 ジュールヒートの25(門別・田中淳司厩舎or船橋・川島正一厩舎(外厩))
- No.92 ペルレンケッテの25(門別・田中淳司厩舎or大井・荒山勝徳厩舎)
- No.93 グラッブユアコートの25(門別・田中淳司厩舎or大井・荒山勝徳厩舎)
- No.94 エレガントマナーの25(門別・田中淳司厩舎or大井・藤田輝信厩舎(外厩))
重賞勝ちの兄姉がいる馬
一口馬主は夢を見る趣味でもある。体の大きさの物差しでは真ん中より下でも、兄姉が重賞を勝っている馬はいる。
- No.20 マハーバーラタの25の兄姉にヒンドゥタイムズ(23'小倉大賞典(G3))。
過去の募集馬で確かめると、重賞を勝った兄姉がいる牝は、本人も重賞を勝つ割合が上がっていた。ただ、勝ち上がれるかどうかはほとんど変わらない。「大きく当たるかもしれないが、外れる確率は他の馬と同じくらい」と受け取るのがちょうどいい。母がほかのクラブ(サンデーレーシングなど)の出身馬に絞った別の記事でも、「兄姉が重賞を勝っている馬はどうだったか」を追いかけている。
この記事の限界
- すべて過去の傾向で、1頭ずつの将来を言い当てるものではない。条件を満たした牝でも、募集価格以上に稼いだのは35%で、残りは届いていない。
- 判定に使っているのは募集時の測尺だけだ。過去の馬も募集時の値で比べているので、ツアー後の体重は混ぜていない。
- 回収率は獲得賞金の額面で計算している。実際に会員に届く分配は、維持費などが引かれてこれより下がる。
- 手術歴がある馬の影響は確かめていない。
残口のある馬をまとめて見る
今から出資できる15頭は一覧の「残口あり」ビューにまとまっている。馬名からはこのサイトの個別ページに飛べるので、気になった馬の血統・測尺を見てほしい。
データについて
牝の物差しは2017〜2023年度募集・牝285頭(一口価格判明・測尺判明)から計算した。「中央値超」は境界値ちょうどを含まない。回収率=獲得賞金 ÷ 募集総額(一口価格×口数)で、管理費・維持費・引退時の売却額を差し引いた実際の会員配当額ではない。第2次募集の対象馬・残り口数はクラブ公式発表(「第2次募集対象馬一覧」・9/16時点)による。