体高と成績の関係を見てみた

キャロットクラブの募集馬選びで「体高が大きい方が良さそうだ」と私は何となく思っていたんだけど、 実際どうなんだろうと思って調べてみた。2017〜2025年募集(2017年85頭・2018年84頭・2019年87頭・2020年92頭・2021年91頭・2022年94頭・2023年96頭・2024年96頭・2025年93頭)の募集時データに、2026年8月時点の獲得賞金・通算成績を突き合わせた独自集計の結果。

体高の分布

まず母集団を見ておくと、818頭の体高は143〜166cmに収まっていて、 平均154.2cm・中央値154cm。3cm刻みでヒストグラムにするとこんな感じ。

体高の分布(全818頭・3cm刻み)

2頭141〜1449頭144〜14758頭147〜150200頭150〜153284頭153〜156180頭156〜15964頭159〜16216頭162〜1652頭165〜168

体高の分布(全818頭・3cm刻み): 141〜144 頭数 2頭、 144〜147 頭数 9頭、 147〜150 頭数 58頭、 150〜153 頭数 200頭、 153〜156 頭数 284頭、 156〜159 頭数 180頭、 159〜162 頭数 64頭、 162〜165 頭数 16頭、 165〜168 頭数 2頭

体高 × 獲得賞金合計

出走済みの686頭で、体高と獲得賞金合計(中央+地方、万円)を散布図にしてみた。 点にカーソルを合わせる(スマホはタップ)と馬名と成績が出る。相関係数は r=0.111 で、「体高が大きいほど稼ぐ」と言い切れるほど強くはない、 かなり弱い正の相関にとどまった。獲得賞金合計が1億円を超える45頭はこのグラフでは省略した (後述の代表馬紹介、または下の「1億円超えも含めて見る」を参照)。

体高 × 獲得賞金合計(出走済み・1億円未満640頭)

02.5k5k7.5k10k145150155160165獲得賞金合計(万円)体高(cm)
1億円超えも含めて見る(出走済み全685頭)

稼ぎ頭を混ぜると軸が伸びて母集団の点がグラフ下端に潰れて見えにくくなるため、 上のグラフとは分けている。縦軸のスケールが違う点に注意。

体高 × 獲得賞金合計(出走済み全685頭・1億円超え含む)

02億4億6億8億145150155160165獲得賞金合計(万円)体高(cm)

体高階級別に見ると

5階級に分けて平均を取ると傾向がもう少しはっきりする。154cm以上の階級がおおむね平均賞金・ 平均勝ち数ともに高めで、149.5cm以下は両方とも低い。ただし162cm以上はサンプルが14頭しかいないので、この階級だけは参考程度に見てほしい。

1つ目のグラフは軸の下に、その階級の母集団(体高が分かっている815頭ベース)の頭数と、そのうち重賞を 勝った馬の頭数を併記した。棒の高さ(平均獲得賞金合計)の母数はこのうち出走済みの馬だけ なので、頭数は棒にカーソルを合わせる(スマホはタップ)と両方出る。階級の分け方は 2つ目のグラフも同じなので、頭数の併記は1つ目にまとめてある。

体高階級別 平均獲得賞金合計

1,761万円〜149.5cm全69頭・重賞馬1頭2,424万円150〜153.5cm全285頭・重賞馬7頭3,764万円154〜157.5cm全338頭・重賞馬23頭4,862万円158〜161.5cm全105頭・重賞馬12頭2,235万円162cm〜全18頭・重賞馬1頭

体高階級別 平均獲得賞金合計: 〜149.5cm 平均獲得賞金合計 1,761万円(平均の母数(出走済み)55頭)(全69頭・重賞馬1頭)、 150〜153.5cm 平均獲得賞金合計 2,424万円(平均の母数(出走済み)240頭)(全285頭・重賞馬7頭)、 154〜157.5cm 平均獲得賞金合計 3,764万円(平均の母数(出走済み)281頭)(全338頭・重賞馬23頭)、 158〜161.5cm 平均獲得賞金合計 4,862万円(平均の母数(出走済み)95頭)(全105頭・重賞馬12頭)、 162cm〜 平均獲得賞金合計 2,235万円(平均の母数(出走済み)14頭)(全18頭・重賞馬1頭)

体高階級別 平均勝ち数

1.84勝〜149.5cm1.68勝150〜153.5cm1.88勝154〜157.5cm1.88勝158〜161.5cm1.57勝162cm〜

体高階級別 平均勝ち数: 〜149.5cm 平均勝ち数 1.84勝(頭数55頭)、 150〜153.5cm 平均勝ち数 1.68勝(頭数240頭)、 154〜157.5cm 平均勝ち数 1.88勝(頭数281頭)、 158〜161.5cm 平均勝ち数 1.88勝(頭数95頭)、 162cm〜 平均勝ち数 1.57勝(頭数14頭)

実際にどんな馬がいたか

相関係数だけだと実感が湧かないので、この818頭の中で実際に重賞を勝った44頭を獲得賞金の多い順に並べておく。表が長くなるので、開いているのは 上位10頭で、残り34頭はその下の折りたたみに入れてある。

馬名募集年体高母齢一口価格主な勝鞍通算成績獲得賞金合計
エフフォーリア2019年158cm10歳7万円21'有馬記念(G1)11戦6勝77,663万円
タスティエーラ2021年158cm7歳7万円23'日本ダービー(G1)15戦4勝65,897万円
ヴェラアズール2018年160cm11歳4万円22'ジャパンC(G1)27戦6勝54,968万円
サートゥルナーリア2017年156cm15歳35万円19'皐月賞(G1)10戦6勝52,358万円
ヘデントール2022年154cm9歳9万円25'天皇賞(春)(G1)11戦6勝51,610万円
ナミュール2020年157cm10歳6.5万円23'マイルCS(G1)18戦5勝50,963万円
ドゥレッツァ2021年154.5cm12歳10万円23'菊花賞(G1)13戦5勝47,217万円
レシステンシア2018年153.5cm8歳6.5万円19'阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)18戦5勝44,952万円
シックスペンス2022年151cm9歳12.5万円26'安田記念(G1)14戦6勝42,069万円
レイパパレ2018年155cm15歳15万円21'大阪杯(G1)15戦6勝39,314万円
残りの34頭も見る(獲得賞金11位以下)
馬名募集年体高母齢一口価格主な勝鞍通算成績獲得賞金合計
クリソベリル2017年161.5cm15歳14万円19'チャンピオンズC(G1)11戦8勝37,960万円
ライトウォーリア2018年157cm8歳5万円24'川崎記念(G1)40戦10勝31,809万円
シュヴァリエローズ2019年154cm17歳20万円24'京都大賞典(G2)38戦5勝29,266万円
カテドラル2017年155.5cm13歳10万円21'京成杯オータムハンデキャップ(G3)37戦4勝22,223万円
セラフィックコール2021年158cm8歳7.5万円24'ダイオライト記念(G2)18戦7勝21,553万円
ワールズエンド2022年152cm11歳17.5万円26'京王杯スプリングC(G2)11戦5勝19,900万円
マルシュロレーヌ2017年156.5cm15歳7.5万円21'ブリーダーズCディスタフ(G1)22戦9勝19,327万円
スルーセブンシーズ2019年156cm13歳4.5万円23'中山牝馬S(G3)14戦4勝19,170万円
グランディア2020年156cm18歳14万円26'新潟大賞典(G3)27戦5勝17,996万円
パントルナイーフ2024年156.5cm12歳20万円25'東京スポーツ杯2歳S(G2)5戦2勝17,478万円
ザダル2017年155cm9歳4万円22'京都金杯(G3)16戦6勝16,996万円
ラヴェル2021年161cm11歳7.5万円24'チャレンジC(G3)17戦3勝16,594万円
バーデンヴァイラー2019年156cm17歳12.5万円23'佐賀記念(G3)20戦7勝15,280万円
コントラチェック2017年155cm17歳15万円21'オーシャンS(G3)19戦5勝15,089万円
キラーアビリティ2020年155cm11歳25万円21'ホープフルS(G1)18戦3勝14,431万円
パラレルヴィジョン2020年156cm8歳12.5万円24'ダービー卿チャレンジT(G3)23戦6勝13,898万円
ベレヌス2018年156cm9歳4万円22'トヨタ賞中京記念(G3)32戦6勝13,882万円
グルーヴィット2017年151.5cm10歳9万円19'トヨタ賞中京記念(G3)25戦4勝12,919万円
ノーヴァレンダ2017年159cm14歳7万円18'全日本2歳優駿【国際交流】(G1)18戦6勝11,954万円
フェブランシェ2021年160.5cm15歳6万円25'スパーキングレディーC((G3)18戦6勝11,312万円
シュトラウス2022年160cm19歳12.5万円23'東京スポーツ杯2歳S(G2)15戦4勝10,337万円
モントライゼ2019年152cm10歳7.5万円20'京王杯2歳S(G2)29戦3勝9,522万円
クラージュゲリエ2017年156cm11歳12.5万円18'ラジオNIKKEI杯京都2歳S(G3)12戦2勝9,299万円
ロックターミガン2024年160.5cm11歳8万円京浜盃7戦3勝8,711万円
ファンダム2023年153cm7歳9万円25'毎日杯(G3)8戦3勝8,191万円
ダイアナブライト2017年154cm8歳14万円21'クイーン賞(G3)18戦5勝7,780万円
スキルヴィング2021年162cm10歳8.5万円23'青葉賞(G2)5戦3勝7,402万円
サンクテュエール2018年151cm11歳20万円20'シンザン記念(G3)16戦2勝7,083万円
パッシングスルー2017年159cm11歳5万円19'紫苑S(G3)13戦3勝7,052万円
ギリーズボール2024年156cm14歳12.5万円26'フィリーズレビュー(G2)4戦2勝6,078万円
カナルビーグル2023年156cm11歳9万円25'ユニコーンS(G3)7戦3勝5,898万円
フィリアプーラ2017年149.5cm16歳5万円19'フェアリーS(G3)16戦2勝5,697万円
サンダーストラック2024年158cm9歳20万円26'シンザン記念(G3)6戦2勝5,018万円
トータルクラリティ2023年155cm11歳7.5万円24'新潟2歳S(G3)10戦2勝3,858万円

折りたたみを開いた44頭が、818頭のうち重賞(中央G1〜G3・Jpn1〜3、地方重賞含む)を 勝った馬のすべて。 以下で「重賞馬」と書くのはこの「重賞を1勝以上している馬」の頭数で、 重賞の勝利数ではない。

頭数だけ見ると154〜157.5cm階級が23頭で最多だが、これは この階級の母数が338頭と一番多いからで、母数に対する割合で見ると景色が変わる

重賞馬の出方は、階級で3倍以上ちがう

  • 158〜161.5cm… 105頭中12頭が重賞馬(11.4%)
  • 154〜157.5cm… 338頭中23頭(6.8%)
  • 158cmで切ると、158cm以上は10.6%(123頭中13頭)/ 158cm未満は4.5%(692頭中31頭)

デビュー時期の偏りではないか?レースを重ねている2023年以前の募集だけに絞っても、158cm以上10.9%・ 158cm未満5.5%で傾向は変わらなかった。一口価格の平均もこの階級だけ 高いわけではない(むしろ全体平均より安い)ので、「高い馬が集まっているから」でも説明できない。

ただし断言できるほどのデータではない。重賞馬は全部で44頭しかおらず、5つの階級を見比べて一番良かったものを 取り上げている以上、たまたま偏った可能性は残る。体高そのものが原因とも言えない (大きく育つ馬は血統・育成環境も違う)。実際の重賞馬は149.5〜162cmに 散らばっていて、両端の体高から重賞馬が出ないと言えるほどでもない。

参考: 一口価格との比較

「じゃあ高い馬を選べばいいのでは」と思う人もいるはずなので、一口価格と獲得賞金合計の関係も 同じ形式で並べておく。対象は出走済み686頭のうち一口価格が分かっている595頭(残り91頭は現在の馬主がクラブ名義でなくなっており、netkeiba側の記載欄自体が無いため除外)。 相関係数は r=0.074 でほぼゼロ。体高よりもさらに予測力が無かった。(1億円超えの43頭はこのグラフでは省略。 下の「1億円超えも含めて見る」参照)価格帯で見ても平均賞金はほとんど横並びで、一口価格は「その年の人気・血統への期待値」で あって「将来の稼ぎ」を予測する指標ではなさそう、というのが今回の実感。

一口価格 × 獲得賞金合計(出走済み・価格データあり・1億円未満552頭)

02.5k5k7.5k10k010203040獲得賞金合計(万円)一口価格(万円)
1億円超えも含めて見る(価格データあり全595頭)

稼ぎ頭を混ぜると軸が伸びて母集団の点がグラフ下端に潰れて見えにくくなるため、 上のグラフとは分けている。縦軸のスケールが違う点に注意。

一口価格 × 獲得賞金合計(価格データあり全595頭・1億円超え含む)

02億4億6億8億010203040獲得賞金合計(万円)一口価格(万円)

2026年募集馬はどこに当てはまる?

せっかくなので、今の2026年募集93頭の体高が、この階級分けのどこに入るかも 並べておく(下の各行をタップすると開く。馬名は個別ページへのリンク)。血統・価格・厩舎 など他の条件でも並べ替え・絞り込みしたい場合は出資馬検討ツールもどうぞ。

〜149.5cm(1頭)
150〜153.5cm(31頭)
154〜157.5cm(44頭)
158〜161.5cm(16頭)
162cm〜(1頭)

まとめ

データについて

募集時データはクラブが募集時に公表した測尺・血統・一口価格が元。 競走成績は2026年8月時点のスナップショットで、今後レースを重ねるたびに変わっていく。 2024・2025年募集組はまだ大半が未出走〜デビュー間もないため、今回の集計は出走済みの686頭(主に2023年以前の募集組)が中心になっている点は割り引いて見てほしい。 獲得賞金は中央(JRA)・地方(NAR)の合計で、海外レースで得た賞金は含まれていない。同じ年の追加募集馬は今回の818頭に含めていない。追加募集は通常の募集と 測尺を測るタイミングが違い、体高をそのまま横に並べる前提が崩れるため、どの年も 通常募集ぶんだけを対象にしている。 相関係数はあくまで線形の関係の強さの目安で、これだけで「体高が原因で稼ぐ」と言えるわけ ではない(良い血統・良い厩舎の馬がたまたま大きく育つ、といった別の要因が絡んでいる 可能性もある)。出資判断の材料というより、あくまで趣味の分析として楽しんでもらえたら。

募集馬一覧へ戻る分析記事一覧へ