管囲が太い馬は走るのか?
カタログの測尺欄で、体高・胸囲・馬体重はみんな見るけれど、その右端にある「管囲」まで じっくり見ている人は少ないと思う。前脚の細い部分(管)の周囲で、骨の太さの目安とされる 数字だ。「管が太い馬は骨が丈夫で長く走れる」という話も聞くので、胸囲がほぼ無関係だった流れで、今度はこの管囲を 調べてみた。2017〜2025年募集(2017年85頭・2018年84頭・2019年86頭・2020年91頭・2021年91頭・2022年94頭・2023年95頭・2024年96頭・2025年93頭)に、2026年9月時点の獲得賞金・ 通算成績を突き合わせた独自集計。
先に言ってしまうと、管囲は最初「これは効いている」と思わせておいて、 正体は牡と牝の差だった。測尺を見るときの落とし穴の話として読んでもらえたら。
815頭
対象頭数
牡382頭・牝430頭
685頭
出走済み
130頭
未出走
大半が直近の募集組
17.9〜23.4cm
管囲の範囲
中央値20cm
0.9cm
牡と牝の中央値の差
牡20.5cm / 牝19.6cm
「順位相関」「p値」「偏相関」といった用語は分析記事の読み方で図つきで説明しています
管囲の分布
まず母集団から。815頭の管囲は17.9〜23.4cmに分布していて、 平均20.07cm・中央値20cm。同じ測尺欄でも体高は143〜166cm(幅23cm)、 胸囲は161〜192.5cm(同32cm)に 広がるので、管囲は5.5cmの幅にほぼ全頭が収まる、 目盛りの細かい指標ということになる。0.1cm刻みで測られていて、 1cmの違いがかなり大きな差になる。
管囲の分布(全815頭・0.5cm刻み)
管囲の分布(全815頭・0.5cm刻み): 17.5 頭数 2頭、 18 頭数 6頭、 18.5 頭数 34頭、 19 頭数 126頭、 19.5 頭数 169頭、 20 頭数 230頭、 20.5 頭数 118頭、 21 頭数 88頭、 21.5 頭数 28頭、 22 頭数 11頭、 22.5 頭数 2頭、 23 頭数 1頭
まとめて見ると、太い馬ほど稼いでいる
出走済みの685頭を管囲で3階級に分けて、獲得賞金合計(中央+地方、万円)の 中央値を取るとこうなった。獲得賞金は一部の大物に大きく引っ張られるので、平均ではなく 外れ値に強い中央値で見ている。
管囲階級別 獲得賞金合計の中央値
管囲階級別 獲得賞金合計の中央値: 20cm未満 獲得賞金合計の中央値 775万(中央値の母数(出走済み)278頭)(階級全体337頭)、 20〜21cm未満 獲得賞金合計の中央値 1,103万(中央値の母数(出走済み)293頭)(階級全体348頭)、 21cm以上 獲得賞金合計の中央値 1,825万(中央値の母数(出走済み)114頭)(階級全体130頭)
きれいに右上がりで、20cm未満(278頭)の775万円に対して21cm以上(114頭)は1,825万円。 2群の差の検定(Mann-Whitney)でも p=0.0002 で、はっきり差が出ている。 勝ち上がり(1勝以上)の率も54.9%(337頭中)に対して67.7%(130頭中)で、p=0.0119。相関係数もピアソンで r=0.142、 順位ベースのスピアマンで r=0.165と、 体高(r=0.111)や胸囲(r=0.041)を 上回る。これまで調べた測尺の中で一番強い数字だ。
管囲 × 獲得賞金合計(出走済み・1億円未満640頭)
- 牡
- 牝
獲得賞金合計が1億円を超える45頭はグラフの外に出るため省略した (後述の重賞馬の表を参照)。
……ところが、この散布図の点の色をよく見てほしい。左側にほとんど牡(青)がいない。
管囲は牡と牝でまるで違う
同じ0.5cm刻みで、牡382頭と牝430頭を別々にヒストグラムにすると、 山の位置がはっきりずれている。中央値は牡20.5cm・牝19.6cmで、 その差0.9cm。分布の幅が5.5cmしかない指標での0.9cm差は大きい。
管囲の分布・牡382頭(0.5cm刻み)
管囲の分布・牡382頭(0.5cm刻み): 17.5 頭数 0頭、 18 頭数 1頭、 18.5 頭数 1頭、 19 頭数 13頭、 19.5 頭数 24頭、 20 頭数 132頭、 20.5 頭数 97頭、 21 頭数 73頭、 21.5 頭数 27頭、 22 頭数 11頭、 22.5 頭数 2頭、 23 頭数 1頭
管囲の分布・牝430頭(0.5cm刻み・上のグラフと同じ物差し)
管囲の分布・牝430頭(0.5cm刻み・上のグラフと同じ物差し): 17.5 頭数 2頭、 18 頭数 5頭、 18.5 頭数 33頭、 19 頭数 112頭、 19.5 頭数 144頭、 20 頭数 97頭、 20.5 頭数 21頭、 21 頭数 15頭、 21.5 頭数 1頭、 22 頭数 0頭、 22.5 頭数 0頭、 23 頭数 0頭
結果として、管囲で並べ替えると事実上「牡から並ぶ」ことになる。21cm以上の130頭のうち牡は87.7%、 逆に20cm未満の337頭では牡は11.6%しかいない。 さっきの「太い階級と細い階級の比較」は、ほとんど牡の群と牝の群を比べていたことになる。
そして牡と牝では、稼ぐ額がそもそも違う
出走済みで見ると、獲得賞金合計の中央値は牡が1,346万円 (324頭)、牝が785万円 (361頭)で、p<0.0001。牡牝混合戦が基本で、 賞金の高いレースほど牡が出てくることを考えれば当然の差だが、「太い群 = ほぼ牡の群」が「細い群 = ほぼ牝の群」より稼いでいるのは、 管囲の効果なのか性別の効果なのか、これだけでは区別がつかない。
性別を揃えて比べ直す
では牡だけ・牝だけで比べ直す。ここで注意がいるのが階級の切り方で、 さっきと同じ20cm・21cmで切ると牝の「21cm以上」は16頭しか いない(牝430頭の3.7%)。 これでは比較にならないし、かといって牝だけ境界を1cm下げると、境界の置き方しだいで 結果が動いてしまう。そこで同性の中で細い方から3等分という、 迷いようのない切り方にした。牡と牝で同じラベルになるので、2つのグラフをそのまま 見比べられる。実際のcm範囲は各棒の下に書いてある。
牡だけ・管囲の3分位別 獲得賞金合計の中央値(出走済み324頭)
牡だけ・管囲の3分位別 獲得賞金合計の中央値(出走済み324頭): 細い1/3 獲得賞金合計の中央値 1,145万(中央値の母数(出走済み)94頭)(18.0〜20.1cm・113頭)、 真ん中 獲得賞金合計の中央値 1,251万(中央値の母数(出走済み)104頭)(20.2〜20.7cm・122頭)、 太い1/3 獲得賞金合計の中央値 1,990万(中央値の母数(出走済み)126頭)(20.8〜23.4cm・147頭)
牝だけ・管囲の3分位別 獲得賞金合計の中央値(出走済み361頭・上と同じ物差し)
牝だけ・管囲の3分位別 獲得賞金合計の中央値(出走済み361頭・上と同じ物差し): 細い1/3 獲得賞金合計の中央値 673万(中央値の母数(出走済み)108頭)(17.9〜19.3cm・132頭)、 真ん中 獲得賞金合計の中央値 850万(中央値の母数(出走済み)105頭)(19.4〜19.7cm・123頭)、 太い1/3 獲得賞金合計の中央値 823万(中央値の母数(出走済み)148頭)(19.8〜21.8cm・175頭)
棒だけ見ると牡はまだ右上がりに見える。ところが細い1/3と太い1/3を検定にかけると、 牡はp=0.7055・牝はp=0.2134で、どちらも差とは言えない。 中央値は上がっているのに検定が通らないのは、獲得賞金の散らばりが大きく、 2つの群がほとんど重なっているからだ。
これは「細い群と太い群から1頭ずつ選んで比べたら、太い方が上回るのは何%か」を出すと 分かりやすい。まったく差が無ければ50%(コイン投げ)になる数字だ。
61.9%
全頭をまとめたとき
20cm未満 vs 21cm以上
51.5%
牡だけ
細い1/3 vs 太い1/3
54.6%
牝だけ
細い1/3 vs 太い1/3
50.0%
まったく差が無いとき
コイン投げと同じ
全頭をまとめると61.9%と五分から離れるのに、 性別を揃えると牡51.5%・ 牝54.6%で、ほぼコイン投げに戻る。 勝ち上がり率も同じで、全頭では54.9% →67.7%(p=0.0119)と開いていたのに、 牡は69.9% → 65.3% (p=0.4326)、牝は52.3% →55.4%(p=0.5828)でほとんど動かない。
ただし牡と牝で中身はけっこう違うので、そこは分けて書いておきたい。
- 牡はきれいに消える。中央値こそ1,145万円 →1,990万円と上がるが、 1頭ずつ比べれば51.5%とほぼコイン投げ。 階級に頼らない順位相関(スピアマン)で見ても r=0.015(p=0.7899)でほぼ完全にゼロだ。出走済み324頭という 頭数があってこれなので、「少なくて見えない」のではなく関係そのものが見当たらないと言ってよさそうだ。
- 牝は弱い傾向が残る。グラフを見ると、細い1/3 (17.9〜19.3cm)だけが673万円と低く、 真ん中と太い1/3はほぼ横並び。太いほど良いという単調な関係ではなく、 極端に細い側だけが沈んでいる形だ。両端の検定はp=0.2134で通らないが、 順位相関では r=0.104(p=0.0466)と 弱いながら向きが残る。切り方によって見え方が変わる程度の弱さ、と受け取ってほしい。
いずれにせよ、全頭で見えた強い関係(r=0.142 / スピアマン0.165)ほどのものは、性別を揃えるとどちらにも残らない。牡と牝を混ぜたことで生まれた見かけの大きさだった、と考えるのが素直だ。
他の測尺はどうなのか
同じことを体高・馬体重・胸囲でもやってみた。まず「その測尺が牡と牝でどれだけ違うか」。 cmとkgをそのまま比べても大小は言えないので、牡牝の中央値の差が、その測尺の ばらつき(標準偏差)何個ぶんかに換算してある。0.5なら「牡牝の分布が半個ぶんずれている」、 0なら「牡も牝も同じ」という読み方になる。
| 測尺 | 牡の中央値 | 牝の中央値 | 牡牝の差 (標準偏差いくつぶん) |
|---|---|---|---|
| 管囲 | 20.5cm | 19.6cm | 1.13 SD |
| 体高 | 154.5cm | 154cm | 0.14 SD |
| 馬体重 | 448kg | 437kg | 0.37 SD |
| 胸囲 | 174.5cm | 174.5cm | 0.00 SD |
管囲だけが桁違いだ。1.13SDというのは、 牡と牝の山がほとんど重ならないくらいずれているということ。馬体重は0.37SD、体高は0.14SD、 胸囲に至っては0.00SDで牡も牝も中央値が同じ (どちらも174.5cm)。「牡は牝より大きい」とひとことで言っても、 どこが大きくなるかは測尺ごとにまるで違って、骨の太さの目安とされる管囲に性差が 集中している。だから管囲で並べると性別で並んでしまう。
では賞金との相関はどうか。こちらは全体・牡・牝に分けて、相関係数と一緒に 「その数字が偶然でも起こりうる程度か」(p値)も並べておく。 母数が違う群の相関係数だけを見比べると、頭数が減って揺らいだだけなのを 「効果が消えた」と読んでしまうので。
| 測尺 | 全体(685頭) | 牡だけ(324頭) | 牝だけ(361頭) |
|---|---|---|---|
| 管囲 | r=0.142 p=0.0002 | r=0.059 p=0.2878 | r=0.057 p=0.2823 |
| 体高 | r=0.111 p=0.0036 | r=0.109 p=0.0481 | r=0.072 p=0.1705 |
| 馬体重 | r=0.109 p=0.0041 | r=0.067 p=0.2273 | r=0.102 p=0.0525 |
| 胸囲 | r=0.041 p=0.2851 | r=0.021 p=0.7056 | r=0.070 p=0.1834 |
出走済みのみ。いずれもピアソンの相関係数。
正直に書くと、性別を揃えるとどの測尺も弱くなる。牡だけで有意なものは 体高がぎりぎり(r=0.109 /p=0.0481)で、牝だけだとどれも有意にならない。 頭数が半分になれば当然そうなりやすいので、この表から 「この測尺は効く/効かない」を決めることはできない。
それでも、落ち方は管囲だけが極端
体高は全体 r=0.111 → 牡 r=0.109と、 数字そのものはほとんど目減りしない。牡牝を分けても見え方が変わらない、という意味だ。体高の記事で見た弱い傾向は、少なくとも性差の影ではない。 胸囲は元から全体で r=0.041(p=0.2851)で、 揃えても揃えなくても薄いまま(胸囲の記事の結論と変わらない)。 対して管囲は全体 r=0.142 → 牡 r=0.059、 順位相関にいたっては0.165 → 0.015とほぼ消える。混ぜて見たときと分けて見たときで話が変わるのは、管囲だけだった。
「管が太い馬は丈夫」は確かめられるか
もう一つの俗説、「管が太い=骨が丈夫=故障せず長く走れる」も見ておきたい。 ただ、これを出走数で測ろうとすると落とし穴がある。中央競馬の未勝利戦は3歳の9月上旬で 終わるので、そこまでに勝ち上がれなかった馬はほとんどの場合そこで中央を去ることになる(地方へ移ったり障害に転じたりして走り続ける馬もいる)。つまり出走数は「丈夫だったか」ではなく 「勝ち上がれたか」をかなりの部分そのまま映してしまう。実際、すでに3歳を終えた2022年募集までで見ると、デビューしたのに未勝利で終わった128頭の 出走数は中央値4戦、勝ち上がった364頭は 中央値18戦。3歳夏の壁を越えられたかどうかで桁が変わる。
そこで勝ち上がり有無で分けて見る。出走済み全体で比べた時点で20cm未満が中央値10戦・21cm以上が11戦 (p=0.1916)と差とは言えないのだが、勝ち上がった馬だけに絞ると15戦(185頭)と13.5戦 (88頭)で、細い側の方がむしろ多い(p=0.9379)。 性別ごとに(同性内の細い1/3 vs 太い1/3で)見ても、牡が15戦 (79頭)vs 14戦 (96頭)でp=0.9904、 牝が15戦(69頭)vs14戦(97頭)でp=0.7844。 育成中に潰れずデビューまで辿り着いた率は82.5%と87.7%で、太い側が5ポイントほど高いもののp=0.1702で誤差の範囲に収まる。
骨折や長期休養そのもののデータは手元に無いので、ここで見ているのは 「デビューまで辿り着いたか」「勝った後どれだけ走ったか」という間接的な指標。 しかも性別で割ると各群は数十頭まで減るので、この頭数では中くらいの差があっても 検出できない。「差が無いと確かめられた」ではなく「太い方が丈夫だという証拠は 出てこなかった」という程度に受け取ってほしい。
重賞を勝った馬の管囲
この815頭のうち重賞(中央G1〜G3・Jpn1〜3、地方重賞含む)を勝ったのは44頭。管囲は19〜22.2cmに散らばっている。 性別で分けると、牡の重賞馬31頭の管囲の中央値は20.8cm (牡全体は20.5cm)、牝の重賞馬13頭は19.8cm(牝全体は19.6cm)。どちらも同性の中央値から0.3cm以内に収まっているので、 「重賞を勝つ馬は管が太い」と言えるような偏りではない。
| 馬名 | 性別 | 募集年 | 誕生月 | 体高 | 胸囲 | 管囲 | 馬体重 | 母齢 | 一口価格 | 主な勝鞍 | 通算成績 | 獲得賞金合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| エフフォーリア | 牡 | 2019年 | 3月 | 158cm | 176.5cm | 20.8cm | 489kg | 10歳 | 7万円 | 21'有馬記念(G1) | 11戦6勝 | 77,663万円 |
| タスティエーラ | 牡 | 2021年 | 3月 | 158cm | 176cm | 21cm | 478kg | 7歳 | 7万円 | 23'日本ダービー(G1) | 15戦4勝 | 65,897万円 |
| ヴェラアズール | 牡 | 2018年 | 1月 | 160cm | 181cm | 21.2cm | 483kg | 11歳 | 4万円 | 22'ジャパンC(G1) | 27戦6勝 | 54,968万円 |
| サートゥルナーリア | 牡 | 2017年 | 3月 | 156cm | 179cm | 21.2cm | 484kg | 15歳 | 35万円 | 19'皐月賞(G1) | 10戦6勝 | 52,358万円 |
| ヘデントール | 牡 | 2022年 | 4月 | 154cm | 173.5cm | 20cm | 444kg | 9歳 | 9万円 | 25'天皇賞(春)(G1) | 11戦6勝 | 51,610万円 |
| ナミュール | 牝 | 2020年 | 3月 | 157cm | 176cm | 19.5cm | 424kg | 10歳 | 6.5万円 | 23'マイルCS(G1) | 18戦5勝 | 50,963万円 |
| ドゥレッツァ | 牡 | 2021年 | 4月 | 154.5cm | 174cm | 20.5cm | 428kg | 12歳 | 10万円 | 23'菊花賞(G1) | 13戦5勝 | 47,217万円 |
| レシステンシア | 牝 | 2018年 | 3月 | 153.5cm | 179cm | 20cm | 482kg | 8歳 | 6.5万円 | 19'阪神ジュベナイルフィリーズ(G1) | 18戦5勝 | 44,952万円 |
| シックスペンス | 牡 | 2022年 | 4月 | 151cm | 173cm | 20.8cm | 429kg | 9歳 | 12.5万円 | 26'安田記念(G1) | 14戦6勝 | 42,069万円 |
| レイパパレ | 牝 | 2018年 | 1月 | 155cm | 169cm | 19.2cm | 420kg | 15歳 | 15万円 | 21'大阪杯(G1) | 15戦6勝 | 39,314万円 |
残りの34頭も見る(獲得賞金11位以下)
| 馬名 | 性別 | 募集年 | 誕生月 | 体高 | 胸囲 | 管囲 | 馬体重 | 母齢 | 一口価格 | 主な勝鞍 | 通算成績 | 獲得賞金合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| クリソベリル | 牡 | 2017年 | 2月 | 161.5cm | 179.5cm | 22.2cm | 498kg | 15歳 | 14万円 | 19'チャンピオンズC(G1) | 11戦8勝 | 37,960万円 |
| ライトウォーリア | 牡 | 2018年 | 2月 | 157cm | 175cm | 20.7cm | 458kg | 8歳 | 5万円 | 24'川崎記念(G1) | 40戦10勝 | 31,809万円 |
| シュヴァリエローズ | 牡 | 2019年 | 5月 | 154cm | 166.5cm | 20.2cm | 402kg | 17歳 | 20万円 | 24'京都大賞典(G2) | 38戦5勝 | 29,266万円 |
| カテドラル | 牡 | 2017年 | 2月 | 155.5cm | 175.5cm | 21.5cm | 452kg | 13歳 | 10万円 | 21'京成杯オータムハンデキャップ(G3) | 37戦4勝 | 22,223万円 |
| セラフィックコール | 牡 | 2021年 | 2月 | 158cm | 180cm | 20cm | 485kg | 8歳 | 7.5万円 | 24'ダイオライト記念(G2) | 18戦7勝 | 21,553万円 |
| ワールズエンド | 牡 | 2022年 | 2月 | 152cm | 169.5cm | 19.4cm | 426kg | 11歳 | 17.5万円 | 26'京王杯スプリングC(G2) | 11戦5勝 | 19,900万円 |
| マルシュロレーヌ | 牝 | 2017年 | 2月 | 156.5cm | 180.5cm | 20cm | 458kg | 15歳 | 7.5万円 | 21'ブリーダーズCディスタフ(G1) | 22戦9勝 | 19,327万円 |
| スルーセブンシーズ | 牝 | 2019年 | 4月 | 156cm | 177cm | 20cm | 457kg | 13歳 | 4.5万円 | 23'中山牝馬S(G3) | 14戦4勝 | 19,170万円 |
| グランディア | 牡 | 2020年 | 3月 | 156cm | 180cm | 20cm | 426kg | 18歳 | 14万円 | 26'新潟大賞典(G3) | 27戦5勝 | 17,996万円 |
| パントルナイーフ | 牡 | 2024年 | 4月 | 156.5cm | 170.5cm | 19.3cm | 441kg | 12歳 | 20万円 | 25'東京スポーツ杯2歳S(G2) | 5戦2勝 | 17,478万円 |
| ザダル | 牡 | 2017年 | 2月 | 155cm | 172.5cm | 20.5cm | 454kg | 9歳 | 4万円 | 22'京都金杯(G3) | 16戦6勝 | 16,996万円 |
| ラヴェル | 牝 | 2021年 | 2月 | 161cm | 183cm | 19.8cm | 469kg | 11歳 | 7.5万円 | 24'チャレンジC(G3) | 17戦3勝 | 16,594万円 |
| バーデンヴァイラー | 牡 | 2019年 | 3月 | 156cm | 173cm | 20.2cm | 448kg | 17歳 | 12.5万円 | 23'佐賀記念(G3) | 20戦7勝 | 15,280万円 |
| コントラチェック | 牝 | 2017年 | 4月 | 155cm | 175.5cm | 20.5cm | 449kg | 17歳 | 15万円 | 21'オーシャンS(G3) | 19戦5勝 | 15,089万円 |
| キラーアビリティ | 牡 | 2020年 | 1月 | 155cm | 174cm | 20.1cm | 447kg | 11歳 | 25万円 | 21'ホープフルS(G1) | 18戦3勝 | 14,431万円 |
| パラレルヴィジョン | 牡 | 2020年 | 2月 | 156cm | 175cm | 21.1cm | 447kg | 8歳 | 12.5万円 | 24'ダービー卿チャレンジT(G3) | 23戦6勝 | 13,898万円 |
| ベレヌス | 牡 | 2018年 | 3月 | 156cm | 174cm | 21.2cm | 457kg | 9歳 | 4万円 | 22'トヨタ賞中京記念(G3) | 32戦6勝 | 13,882万円 |
| グルーヴィット | 牡 | 2017年 | 4月 | 151.5cm | 173cm | 20.5cm | 444kg | 10歳 | 9万円 | 19'トヨタ賞中京記念(G3) | 25戦4勝 | 12,919万円 |
| ノーヴァレンダ | 牡 | 2017年 | 2月 | 159cm | 185cm | 22cm | 512kg | 14歳 | 7万円 | 18'全日本2歳優駿【国際交流】(G1) | 18戦6勝 | 11,954万円 |
| フェブランシェ | 牝 | 2021年 | 1月 | 160.5cm | 183cm | 21cm | 518kg | 15歳 | 6万円 | 25'スパーキングレディーC((G3) | 18戦6勝 | 11,312万円 |
| シュトラウス | 牡 | 2022年 | 1月 | 160cm | 181.5cm | 21.5cm | 522kg | 19歳 | 12.5万円 | 23'東京スポーツ杯2歳S(G2) | 15戦4勝 | 10,337万円 |
| モントライゼ | 牡 | 2019年 | 4月 | 152cm | 175cm | 20.9cm | 462kg | 10歳 | 7.5万円 | 20'京王杯2歳S(G2) | 29戦3勝 | 9,522万円 |
| クラージュゲリエ | 牡 | 2017年 | 2月 | 156cm | 171cm | 21cm | 460kg | 11歳 | 12.5万円 | 18'ラジオNIKKEI杯京都2歳S(G3) | 12戦2勝 | 9,299万円 |
| ロックターミガン | 牡 | 2024年 | 3月 | 160.5cm | 180cm | 21.1cm | 516kg | 11歳 | 8万円 | 京浜盃 | 7戦3勝 | 8,711万円 |
| ファンダム | 牡 | 2023年 | 2月 | 153cm | 174.5cm | 20.6cm | 460kg | 7歳 | 9万円 | 25'毎日杯(G3) | 8戦3勝 | 8,191万円 |
| ダイアナブライト | 牝 | 2017年 | 1月 | 154cm | 176cm | 19.7cm | 453kg | 8歳 | 14万円 | 21'クイーン賞(G3) | 18戦5勝 | 7,780万円 |
| スキルヴィング | 牡 | 2021年 | 3月 | 162cm | 182cm | 21.9cm | 506kg | 10歳 | 8.5万円 | 23'青葉賞(G2) | 5戦3勝 | 7,402万円 |
| サンクテュエール | 牝 | 2018年 | 2月 | 151cm | 175cm | 19.6cm | 443kg | 11歳 | 20万円 | 20'シンザン記念(G3) | 16戦2勝 | 7,083万円 |
| パッシングスルー | 牝 | 2017年 | 3月 | 159cm | 176cm | 20.6cm | 462kg | 11歳 | 5万円 | 19'紫苑S(G3) | 13戦3勝 | 7,052万円 |
| ギリーズボール | 牝 | 2024年 | 5月 | 156cm | 174.5cm | 19.6cm | 423kg | 14歳 | 12.5万円 | 26'フィリーズレビュー(G2) | 4戦2勝 | 6,078万円 |
| カナルビーグル | 牡 | 2023年 | 2月 | 156cm | 175cm | 20cm | 453kg | 11歳 | 9万円 | 25'ユニコーンS(G3) | 7戦3勝 | 5,898万円 |
| フィリアプーラ | 牝 | 2017年 | 4月 | 149.5cm | 175cm | 19cm | 426kg | 16歳 | 5万円 | 19'フェアリーS(G3) | 16戦2勝 | 5,697万円 |
| サンダーストラック | 牡 | 2024年 | 2月 | 158cm | 184cm | 21.1cm | 490kg | 9歳 | 20万円 | 26'シンザン記念(G3) | 6戦2勝 | 5,018万円 |
| トータルクラリティ | 牡 | 2023年 | 1月 | 155cm | 174cm | 21cm | 436kg | 11歳 | 7.5万円 | 24'新潟2歳S(G3) | 10戦2勝 | 3,858万円 |
上の表と折りたたみを合わせた44頭が、815頭のうち重賞を勝った馬のすべて。
牡で管が細くても、稼ぐ馬は稼ぐ
牡の中で管囲が20cm未満だった33頭(出走済み)を 稼いだ順に並べると、上からワールズエンド(19.4cm・19,900万円)、パントルナイーフ(19.3cm・17,478万円)、バレルターン(19.3cm・7,529万円)。細い側でもこれだけの馬が出ている。カタログの管囲の欄を見て 「この馬は細いから」と外す材料にはならなさそうだ。
まとめ
- 全頭をまとめて見ると、管囲は獲得賞金とはっきり結びついて見える (20cm未満 775万円 vs21cm以上 1,825万円、p=0.0002)。 これまで調べた測尺の中で一番強い数字だった。
- ところが管囲は牡と牝で中央値が0.9cm違う(牡20.5cm / 牝19.6cm、性別との相関 r=0.593)。21cm以上の87.7%が牡、20cm未満では牡は11.6%。 管囲で並べることは、ほぼ牡牝で並べることだった。
- 牡の中では、管囲と成績の関係は見当たらない(同性内の細い1/3 vs 太い1/3でp=0.7055、順位相関も r=0.015 / p=0.7899)。 出走済み324頭で見てこれなので、頭数不足ではなく関係そのものが無さそう。
- 牝には弱い傾向が残る。ただし太いほど良いのではなく、 極端に細い側(17.9〜19.3cm)だけが沈んでいる形。 両端の検定はp=0.2134で通らず、順位相関で r=0.104(p=0.0466)という程度。
- 「管が太い=丈夫で長く走れる」も、勝ち上がった馬に絞って出走数を比べると差は出なかった (p=0.9379・細い側の方がむしろ多い)。デビューに辿り着く率も誤差の範囲。 ただしこちらも各群が数十頭なので、中くらいの差なら見逃している。
- 性別を揃えるとどの測尺も弱くなるので、この記事で 「効く測尺/効かない測尺」を決めたわけではない。言えるのは混ぜて見たときと分けて見たときで話が変わるのは管囲だけということ (体高は全体 r=0.111 → 牡 r=0.109で ほとんど変わらない)。
- 実務的には、募集馬一覧で管囲を並べ替えるときは先に性別で絞ってから見るのがおすすめ。混ぜたまま上から見ると、 「管が太くて良さそうな馬」を選んでいるつもりで牡を選んでいることになる。
データについて
管囲は募集時にクラブが公表した測尺データが元で、818頭中815頭ぶん揃っている。 競走成績は2026年9月時点のスナップショットで、今後レースを重ねるたびに変わっていく。 直近の募集組はまだ大半が未出走〜デビュー間もないため、獲得賞金のクロス集計は出走済みの685頭が母数。勝ち上がり率とデビュー率だけは未出走の馬も分母に入れている(まだ走っていない馬を「勝てなかった」に数える形になるので、そのぶん率は低めに出る)。 獲得賞金は中央(JRA)・地方(NAR)の合計で、海外レースの賞金は含まない。 賞金は走った年数ぶん積み上がるので募集年の影響を受けるが、21cm以上と20cm未満の 平均募集年は2020.8年と2021.1年で、階級間の偏りは小さい。 性別は募集時のもの。性別が取れなかった3頭は牡牝の比較から除いている。階級は、全頭をまとめて見るときは20cm・21cmで、性別ごとに見るときはその性別の中で細い順に3等分して切っている (牡と牝で管囲が1cm近く違うため、共通のcm境界だと片方の端が数十頭しか残らない)。 相関係数はあくまで線形の関係の強さの目安で、これだけで「管囲が成績に影響しない」と 断言できるわけではない。性別で割ってさらに3等分すると各群は100頭前後になるので、はっきりした差は否定できても、小さな差は見逃しうる。 出資判断の材料というより、あくまで趣味の分析として楽しんでもらえたら。